知っていても特に使い道がない明治時代のあれこれ・吉原あれこれ豆知識講座(話が進むにつれ増えていくと思われます)



時代背景
明治時代中期あたり。

燕尾服
高貴な方の礼装なのですが、普段華族様がどんな服を着ているのか管理人には判らなかったので敢えて燕尾服を着ていただきました。ステッキとシルクハットは単なる私の趣味です。

大門
吉原の入り口として名高い大きな門です。遊女が逃げ出さないように決まった時刻になると門は閉じられていました。
そのすぐ傍に四郎兵衛会所という、門の番人さんが詰めている小屋があります。


高札場
吉原には乗り物で入ったり、武器を携帯してはいけなかったので、ここで預けたりします。当然ですが大門よりも外側にあります。

華族
明治時代の身分制です。天皇を除き、上から華族、士族、平族とありました。
その華族の中でもさらに爵位という身分がありまして上から公爵、候爵、伯爵、子爵、男爵という位がつきます。
因みに亮は子爵なのでちょっと下のほうです。


年季
遊女はこの年季と呼ばれる決まった期間働かねばなりませんでした。これが明ける(終わる)と晴れて自由の身になれます。
それまでに年季分(借金)を払い終えたり(これは稀なケースですが)、お金持ちの人に身請けと言われる、その遊女の借金を返済してもらってお嫁に行くという事もありました。


馴染み
お客は色んな遊女と遊ぶという事は出来ませんでした。結婚と同じで吉原ではたった一人の遊女としか結ばれる事が出来なかったからです。
しかも直ぐに床入りできるわけではありません。結ばれるまでに三回は通います。そして三回目にしてやっと床入りが許されます。床入りが許された客の事を馴染みといいます。
それとは別に馴染み金と呼ばれるお金を払うと馴染み客として扱われる。というのもあるみたいです。


茶屋
勿論、お茶を飲むところではありません(飲んでた人もいるかもしれませんが)馴染みがない人や、誰にしようか決め兼ねている人は、ここで誰か紹介してもらいます。
簡単に言えば仲介屋さんみたいところです。



まがきと読みます。通りに面した場所に籬(格子みたいな感じのやつです)ごしに遊女達がずらりと並んでいます。
この前でお客さんはどの子にしようかな。と見て回ります。
籬には見世のランクによって形が変わります。上から惣籬、半籬、惣半籬とあります。
格子が上から下まで付いていれば惣籬、つまり大見世という事になります。後は下になるにつれ格子が半分ずつ減っていきます。
因みに薫や真吾がいる欅屋は惣籬なので大見世です。繁盛しているようです。


突き出し
遊女が始めてお客をとる事です。

遊女
彼女達にも人気や稼ぎの順に名称がありました。身分というわけではありませんが、自分の部屋を持たせてもらったり正月などでは良い着物をもらったり優遇されてました。
年齢によっても名称や仕事も変化します。順番としては禿→新造→遊女となるわけです。
禿と新造の時に才を見込まれれば、引き込みとなって一般の子達とは違う英才教育のようなものが受けられます。将来売れっ子になると見世も見ているわけです。
因みに薫がこれに該当してました。


振袖
本当は新造の子が着るものなんですが、管理人が男性の服を考えられなかったので振袖で落ち着きました。
女性と同じでないのは、本編で優一が言っていましたが、薫の様な抽象的なタイプに惑わされるお客がいる為、服装を変える事で男女の区別をつけました。