薫×亮。えっちぃのでご注意下さい。
た と え ば
「気持いい……?」
四つん這いの状態で喘ぐ亮はとても可愛くて、薫の征服心を煽る。
「…あっ…あ……」
滅多な事で零さない涙が、亮の頬を伝いシーツに落ちる。
「かお…っ」
部屋に響く淫猥な音が亮の頬を染める。
「もっと、増やそうか……?」
言うなり薫は指を二本に増やし、さらに亮を攻めた。
「……っやあっ…!!」
シーツをきつく握り締め、快楽に耐える亮に薫はそっと口付けた。
「可愛いよ…」
緩く抜き差しを繰り返しているうちに、亮は限界が近いのか膝ががくがく震え出した。
「も…立って、られな…っ」
「そう……?じゃあ…」
そう言って、薫は亮を仰向けに寝転ばせた。
「これで大丈夫だね……」
薫は涙を零す亮に向かってにっこり笑い、再び抜き差しを開始した。
たとえば、好きな人の全てを知っていたとして。
たとえば、その人は他の誰かにも抱かれていたなら。
きっと、ボクは嫉妬で狂ってしまう。
だから。
もっと知りたい。
キミの事。
誰よりも。
キミすら知らない事も。
ボクに教えて。
「あ…かおる……っ」
腰を摺り寄せて亮がねだってくる。
亮は言葉に出さない分、身体は素直。
言葉ではなく、身体で感情を表す。
「どうしたの……?」
解っていてわざと知らない振りをした薫に亮は上目遣いで、涙を零した。
それは卑怯だよ……亮。
心の中で呟いて薫は優しく囁いた。
「もっと強くして欲しい……?」
やっともらえた答えに亮は大きく頷いた。
「……いいよ」
指を深く激しく動かす。
「…ああっ!!…っ…は……あ…っ」
「気持ちいい…?」
「…っ気持ち…い…い、っああっ!!」
焦らせば焦らした分亮は乱れる。
その事を知ってるのはボクだけだよね…?
「も…っ…きて……」
我慢出来なくなった亮は薫の顔に手を伸ばす。
震える指先を捕らえそっと舐めると、また聞こえる喘ぎ声。
「亮…ボクの事、好き……?」
切なげに問う声。
最早、目先の快楽しか見えていない亮にはこの質問の意味すら届いていないのだろう。
「あ……っ…す…き…。すき…かお…る…っだか…ら」
亮はただ、反復するように繰り返す。感情の篭らない『好き』を。
けれど、その言葉に満足した薫は優しく微笑み、亮の中に進入した。
「は……あ…あっ…あ…」
たとえば、キミがこんな表情をするって知っているのはボクだけじゃない。
たとえば、キミのこんな姿がボク以外の誰かの前で晒されるなら。
ボクは、そう思うだけで胸が押し潰れそうなんだ。
ボクだけを見て。
ボク以外に秘密を持たさせないで。
「あ…は……っあ…かお…る…」
「…亮……」
ぐちゅ…と淫猥な音が部屋に響く。
「あ…」
その音に反応して亮が頬を赤らめる。
「恥ずかしいの…?」
なおも腰を揺らしながら亮を責め立てる。
「あ…っも……っ…」
だらしなく半開きになった唇から唾液が落ちる。
繋いだ手の平から、繋がった部分から亮の温もりが伝わる。
薫は口腔を弄る様に激しく亮に口付けた。
「…んん……っ!!…んんぅ……!!!」
そして、そのまま亮は達し、少し後で薫も亮の中に全てを吐き出した。
「………亮…」
「…ん………」
「ごめんね、大丈夫?」
心配そうに薫は亮の頬に手を添えた。
「…うん……だいじょうぶ……」
少し枯れた声が返ってきた。
「喉、枯れてるね…。水持ってくるね」
ベッドから離れていく薫に、亮は力の入らない腕を伸ばす。
震える指先が薫の背に向かう。
「亮……?」
一瞬背を向けただけだった。
けれど、振り向いた時にはもう、亮は泣いていた。
「どうしたの………?」
優しく涙を拭った薫の手に亮の手が重なる。
「……いかないで」
「…え……?」
「どこにもいかないで」
枯れた声で、涙を流して。
それでも、強く。
亮は薫に抱きついた。
たとえば、キミが誰かをこんな風に愛したなら。
たとえば、キミがボク以外に愛の言葉を囁いたなら。
……それでもボクは、キミを愛してる。
きっとボクはいつまでもキミを待って、愛し続けるよ。